瑠璃だよ。
一年前の今日、あの事件は起きた。
瑠璃は朝から、ごうごうと吐き続けたんだ。
水を飲んでは、吐き、水を飲んでは吐き。
あわててお医者さんに連れて行かれると、血液検査をされながら、注射を1本、点滴を3本打たれた。
気持ち悪くて、瑠璃には抵抗する力もなかった。
血液検査の結果は、肝臓の数値が異常に高く、肝炎と診断された。
お医者さんが言うには、この世の中に「毒」と呼ばれるものは2千以上あるんだそうだ。
道端には除草剤、畑にはいろんな薬、そういうのがついた草やアンヨを瑠璃は知らずにペロペロする。
それを食べた虫とかカエルを食べたかもしれない。
ノミ除けの薬をお母ちゃんがつけてくれたのを舐めちゃったかもしれない。
それから3日間、ご飯を食べちゃいけない、水も吐き気がおさまってから。
一番暑い時期で、それも大変だった。
発症1週間後の瑠璃。お母さんは毎日泣いていたよ。
それから、お薬と特別なご飯と、たくさんの水を飲むことで、一月後に肝臓の数値にOKが出た。
そのときに、お医者さんから、あのときあと30分来るのが遅かったら、瑠璃は死んでいたかもしれないって言われた。
OKは出たけど、しばらくは何となく元気がないし、痩せてるし、毛もバサバサしてるし、気持ち悪くて、いつもお口をペロペロしてた。
本当に元気で笑顔になったのは、半年ぐらい経ってからだったよ。
そして今。
瑠璃は元気にお母さんになりまーす!
たくさん食べて、ガンバリます!